技術資料

ステンレス精密板金加工におけるファイバーレーザーの特徴とCO2レーザーとの比較

ステンレスの切断には欠かせないレーザー加工機。
弊社では、先日、ファイバーレーザー加工機を導入しました。
最新の設備で高性能であることは間違いないのですが、そもそも、ファイバーレーザーとは何なのか?CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)とはどう違うのか?

CO2レーザー発振器では、レーザーガスが充填された発振器内で励起されたレーザー光を出力ミラーから取り出し、複数の反射ミラーで加工ヘッドまで伝送していました。
ファイバーレーザー発振器では、発振部分に空間共振器を持たないモノリシック構造になっており、複数ユニットから出力されるパワーを1本の光ファイバーにまとめて加工ヘッドまで伝送しています。

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①エネルギー効率3倍

高エネルギー変換が可能となり、エネルギー効率はCO2レーザーに比べ3倍、電力消費量を大幅に削減。暖気運転やレーザーガスが不要で、ランニングコストを約70%以上カット。

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②待機時消費電力約1/5
CO2レーザーは放電準備と冷却のため、待機時でも常に23kW程度の電力を消費。それに対しファイバーレーザー発振器は、キースイッチを入れると1秒未満での発振が可能で、待機時の消費電力は4.5kW程度に。


③メンテナンス費用大幅削減
ファイバーレーザー発振器内には、発振のための光学系部品がないため、それらの経年劣化によるクリーニング、交換などのメンテナンスが不必要。長年使用することにより、その差は大きなものに。

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④優れた集光性

tech_aj_tab03_1aファイバーレーザーのBPPは、CO2に比べ60~70%と優れており、より小さな集光径が得られるため、高速加工やひずみの少ない加工が可能に。

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤ビーム吸収率アップ

tech_aj_tab03_2aファイバーレーザーは、CO2レーザーに比べて波長が小さく、高反射材である銅のビーム吸収率も高くなるため、加工が可能に。

 

 

 

 

 

(※上記データは㈱アマダの設備比較です)

 

以上のようにファイバーレーザーは非常にたくさんのメリットがあります。
今後はこのファイバーレーザーが主流になってくるのではないでしょうか。
また、弊社ではファイバーレーザー溶接機も保有しております。近日、こちらの技術もご紹介させていただきます!

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2015年11月24日

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